濡灯色ぬれびいろ)” の例文
元来宿を出る時この二人は温泉街の夜店飾りの濡灯色ぬれびいろと、一寸野道で途絶えても殆ど町続きにひとしい停車場あたりのもやの燈を望んだのを、番傘をたたかぬばかり糸七が反対に、もの寂しいいろはの碑を
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)