湫路しゅうろ)” の例文
大都の康荘こうそうは年々面目を新にするに反して窮巷屋後きゅうこうおくご湫路しゅうろは幾星霜を経るも依然として旧観をあらためず。これを人の生涯に観るもまたかくの如き
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
わたくしはこの湫路しゅうろかたわらに芭蕉庵のあとは神社となって保存せられ、柾木稲荷のほこらはその筋向いに新しい石の華表とりいをそびやかしているのを見て、東京の生活はいかにいそがしくなっても
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)