温床おんしょう)” の例文
温室の温度と日光を弱めるために、わざわざ石灰乳せっかいにゅうをガラスのフレームにぬった温床おんしょうの下で、フクシアやきょうちくとうがさきかけていた。
彼等には取扱い得ないが故に敬遠しているのである。それは排撃の理由にならぬ。如何に排撃しようと、科学小説時代の温床おんしょうは十分に用意されているのだ。
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
土の土たるは、不潔を排斥して自己の潔を保つでなく、不潔を包容し浄化して生命の温床おんしょうたるにある。「吾父は農夫也」と耶蘇の道破した如く、神はまさしく一の大農夫である。神は一切をよしと見る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
とりわけ八月には、セン・マリ、セン・ルイの大祝日だいしゅくじつがあるので、これを当てこんで何千本というえぞぎく、フクシア、きょうちくとうなどを温室や温床おんしょうにはいりきらないほどしこんでおいた。