渡場わたし)” の例文
渡場わたしをかち渡りするは御法度ごはっとなんでア、何たるワザワグこったべえ、只じゃ済まねえべ、お関所破りと同罪なんでア、早うでんぐりけえりな
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
義民木内宗五郎で有名な甚兵衛の渡場わたしのある処は、印西いんせいという処であるが、その印西の渡場から西へ十町ばかり往った処に、位牌田いはいだと云う田がある。
位牌田 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「おーい、どこ行くでア、戻って来もせやい、てんことない、渡場わたしを素通りしてはいけねえでば、川破りの罪になるべちゃあ、川破りの罪はお関所破りの罪と同じだべや、戻って来もせやあい」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)