消魂けたた)” の例文
皇帝は当惑と怒りが交ざり合ったような複雑な表情で机に頬杖をついていると、深夜の空気を揺動かして消魂けたたましく卓上電話のベルが鳴り出した。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
不意に消魂けたたましく、日本晴れだぞ、痛快痛快と、触れ廻るように叫んだ声におどろかされて、ね起きると、雨はいつの間にやられ上り、西の方の空が一点のあざをも残さず、拭いて取ったように
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)