此頃こなひだ)” の例文
此頃こなひだも或処で君の評判を聞いて来たが、何だか斯う我輩は自分を褒められたやうな心地こゝろもちがした。実際、我輩は君を頼りにして居るのだから。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
毎度敬之進が世話に成ること、此頃こなひだはまた省吾が結構なものを頂いたこと、それこれやの礼を述べ乍ら、せか/\と立つたりすわつたりして話す。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
銀之助はすこし気を変へて、『其は左様と、瀬川君、此頃こなひだから僕は君に聞いて見たいと思ふことが有るんだが——』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)