正真しょうしん)” の例文
旧字:正眞
ことに一行の本尊様に祭り上げられている馬上の偶像に向っては、正真しょうしんの大天狗が天降あまくだったものとでも思っているのか知らん。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「兼好の御坊も先刻いうていたが、その時こそわたしも正真しょうしんの横笛じゃ。時頼殿の庵室へ朝な夕なに押し掛けて、いつまでも悟道の邪魔をして見しょうぞ。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは人形でもなく、拵え物でもなく、確かに正真しょうしんの人間であるので、木戸番もびっくりした。