“槎枒”の読み方と例文
読み方割合
さが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家々の庭園には焔のような柘榴ざくろの花が珠をつづり槎枒さがたる梅の老木の蔭の、月の光の差し入らない隅から、ホッ、ホッと燃え出る燐の光は、産まれ出た螢が飛ぶのであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お銀様と神尾とは、槎枒さがたる梅の大木を七たび廻って、追いつ追われつしています。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
左手ひだりの障子には、ひょろひょろとした南天の影手水鉢ちょうずばちをおおうてうつむきざまに映り、右手には槎枒さがたる老梅の縦横に枝をさしかわしたるがあざやかに映りて、まだつぼみがちなるその影の
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)