専六もまた藤田ひそむ柏原櫟蔵かしわばられきぞうらと共に山澄の門にって、洋算簿記を学ぶこととなり、いつとなく元秀の講筵こうえんには臨まなくなった。のち山澄は海軍大尉を以て終り、柏原は海軍少将を以て終った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)