杏花あんず)” の例文
宿しゅくを出て、裏街道をだらだらと下がってくると、もう、海みたいな武蔵野が、ながめられる。峠とは、陽気もまるでちがって、桃も杏花あんずも、散っていた。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごらんよ、水寨すいさいの辺を。柳はみどりの新芽しんめを吹き、杏花あんずや桃も笑いかけてる」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)