有夫姦ゆうふかん)” の例文
代助は露西亜ロシア文学に出て来る不安を、天候の具合と、政治の圧迫で解釈していた。仏蘭西フランス文学に出てくる不安を、有夫姦ゆうふかんの多いためと見ていた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼はあまりに貞節であって、有夫姦ゆうふかんについては清教徒的な恐怖の念をいだいていた。その不潔な共有を考えてみるだけでも、一種の嫌悪けんおを覚えた。
どう考えても有夫姦ゆうふかんだ。それに、男は東京から態々逢いに来ている。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)