月夜段つきよだん)” の例文
蛇滝へ参籠して既に百日にもなるとすれば、その間に、篠井山しののいざんの下の月夜段つきよだんの里まで消息を通ずることは、あえて難事ではありません。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここでも紺の筒袖つつそでを着て、手拭をかぶって砧を打つと、その音が篠井山の上、月夜段つきよだんの奥までも響いて、縁に腰かけた竜之助の足許からもものあたりまでが、軽い地鳴りで揺れるのがよい心持です。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)