が、実際に文庫の編輯にあずかっていたのは楽屋がくや小説の「紅子戯語こうしけご」に現れる眉山びざんさざなみ、思案、紅葉、つきまどか香夢楼緑かむろみどり、及び春亭九華しゅんていきゅうかの八名であった。
殊に眉山の艶容媚態えんようびたい——というと女の形容になるが、その頃の眉山を彷彿するには女の形容を用ゆるが適していた——を著るしく引立たしたのは春亭九華しゅんていきゅうかであった。