教師せんせい)” の例文
そのピアノ教師せんせいをお訴えになる。あの本を取返して使った毒薬を発見してやる……ま……ま……待って下さい。……ト……飛んでもない事です。まあお聴き下さい。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
マーシャ わたしのあの教師せんせいは、大してお利口さんじゃないけれど、なかなかいい人だし、貧乏だし、それにとてもわたしを愛してくれるの。いじらしくなりますわ。
教師も仕方なしに黙認して苦笑していた。「教師せんせいもやってやれ。」と誰かが言った。「よせよ。汚ないだけだよ。」と誰かが答えて、みんなで笑った。奉天を発つ晩は美しい夕方であった。
プウルの傍で (新字新仮名) / 中島敦(著)
山木さんの辞職なされたのも、つまり奥様の御勧おすゝめだと其頃一般の評判でしたの、——其れから奥様は学校の教師せんせいをなさる、山木様は新聞を御書きになつたり、演説をして御歩きになつたりして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ヘエ。つまり貴方様はズット前からそのピアノの教師せんせいを疑っておいでになったんですね。成る程。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
トリゴーリン あの教師せんせいのところへね?
あの本を借りて行かれたピアノの教師せんせいが、あの本の中の毒薬を使っているに違いない。この頃、貴方様も胃のお工合が宜しくない。胃がシクシクお痛みになる。×××××、×××かも知れない。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)