放浪者ボヘミアン)” の例文
放埒はうらつに身を持崩した末五十過ぎてから兄の家に轉げ込み、障子も張れば便所の掃除さうぢもすると言つた、恐ろしく氣の輕い男で、鼻唄交りにその日/\を暮してゐる札付の放浪者ボヘミアンでした。
放埒ほうらつに身を持崩した末五十過ぎてから兄の家に転げ込み、障子も張れば便所の掃除もするといった、恐ろしく気の軽い男で、鼻唄交りにその日その日を暮している札付の放浪者ボヘミアンでした。
幾分放浪者ボヘミアンの素質と、自由主義者リベラリスト的な性癖があり、編輯局と言った、かなり呑気な事務所にさえ窮屈さを感じて、自分の肩にかかる当面の仕事さえ無ければ、斯んなところに逃避して
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)