放下ぶらさ)” の例文
薄黒く大地にせまる夜の中途に、煮え切らぬ星が路頭に迷って放下ぶらさがっている。柱とつらなり、甍と積む万点の燄はさかしまに天をひたして、寝とぼけた星のまなこを射る。星の眼は熱い。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)