撞着ぶつか)” の例文
矢張やっぱり私共でなければ出来ぬ高尚な事のように思って、しきりに若い女に撞着ぶつかりたがっているうちに、望む所の若い女が遂に向うから来て撞着ぶつかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人生の研究というような高尚な事でも、私なぞの手に掛ると、詰り若い女に撞着ぶつかりたいなぞという愚劣な事になって了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
異性でも親兄弟に恋をせぬのは其為だ。青年の時分には、性慾が猛烈に動くから、往々理性や趣味性の手を待たんで、自分と盲動して撞着ぶつかった者をすぐ相手にする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)