抱擁だきかか)” の例文
吉野は、濡れに濡れて呼吸いきも絶えたらしい新坊の体を、無造作に抱擁だきかかへて川原に引返した。其処へ、騒ぎを聞いて通行とほりすがり農夫ひやくしやうが一人、提灯を携げて下りて来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)