打附ぶッつか)” の例文
口早に促されて、急いで上る、主税はあかるい外から入って、一倍暗い式台に、高足を踏んで、ドンと板戸に打附ぶッつかるのも、菅子は心づかぬまで、いそいそして。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
壱岐殿坂いきどのざかだッたかしら、ちっとこっちへ来る坂下の処で、荷車に一度。ついこの先で牛車に一度、打附ぶッつかりそうにしたの。虫が知らせたんだわね、愛吉、お前のおかげ
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)