房楊子ふさようじ)” の例文
井戸端で顔を洗って居る平次は、猿屋の房楊子ふさようじを井戸側の割れ目に突っ立てて、静かに振り返りました。
縁ばたに、杉の手水ちょうずだらいと、房楊子ふさようじと塩が出ていた。お高が置いて行ったのだろう。惣七は、ふうっと腹中にたまっていた夜気を吹き出して、かわりに、思い切り日光を吸い込んだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
木戸の外から声を掛けたのは、庭下駄をつっかけて、房楊子ふさようじをくわえた浪人者の石巻左陣でした。