戊戌ぼじゅつ)” の例文
戊戌ぼじゅつの政変がその一つであり、さらに、その二年後に起った北清事変は、いよいよ支那の無能を全世界に暴露した致命的な乱であった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
天保九年戊戌ぼじゅつ正月元旦、梁川星巌大沼枕山らは池の端なる画家酒巻立兆さかまきりっちょうの家に招かれた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いや、閑日月かんじつげつに富んだ今さえ、こう溌剌としているようじゃ、康有為こうゆうい氏を中心とした、芝居のような戊戌ぼじゅつの変に、花々しい役割を演じた頃には、どの位才気煥発だったか、想像する事も難くはない。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この戊戌ぼじゅつ政変の悲劇をよそにして、It is a cat を大声で読み上げているのは、甚だ落ちつかない気持であった。自分も既に十八歳である。ぐずぐずしては居られぬ。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)