懸硯かけすずり)” の例文
すっぱりと手を切るから、手切金てぎれきんの五十両、なんとか工面くめんをしてくれと千賀春にいわれ、のぼせ上って前後の見境みさかいもなく親爺おやじ懸硯かけすずりから盗みだして渡したが、手を切るとは真赤な嘘。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
よわいは四十歳で有ったが、其死後右筆頭の満田長右衛門が或時氏郷の懸硯かけすずりを開いて
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)