惘乎ぼう)” の例文
その顏がまた、彼の惘乎ぼうとなつた眼の前に、室いつぱいに擴大されて行くやうな變異な相貌となつて、おつぶさつて來るやうに見えた。彼はすつかり、窒息的な呼吸遣ひに陥いつてゐた。
奇病患者 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)