悪足掻わるあが)” の例文
「そうかい。病人ならなおのこと。悪足掻わるあがきはしねえがいいぞ。お手当をしてやるから、素直にお縄をいただいて見物していろ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど彼が悪足掻わるあがきな妄動をしていないことだけはたしかであり、夜ともなれば、墨を流したような今出川一帯の大屋根が、それだけになお気味わるい夜気を都のすみに濃くしてはいた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)