“恢癒(かいゆ)” の例文
マリアは一切を思い出させる力をもっている。既に恢癒(かいゆ)したはずの傷までがまた疼(うず)き出しそうだ。言うまでもなく私にとっては忘却の方が有難かった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
観世音がもつ、あの男でもない女でもない不思議な魅惑を、私は東洋の南方にむすびつけて考えたりした。私もまた文明の汚血よりの恢癒(かいゆ)を祈っていたひとりだった故(せい)もあろう。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)