御物忌おものいみ)” の例文
あいにくそれから殿も御物忌おものいみつづき、こちらも何かと物忌がちで、殆ど門もとざしたぎりなものだから、入らっしゃろうにも入らっしゃれず、そういう御文を毎日のように
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
が、御物忌おものいみやら何やらでなかなかそれを殿に御目にかける事が出来ないでいるらしかった。一方、頭の君は頭の君で、こちらの返事のいつまでもないのをしきりにうらんで入らっしゃるらしかった。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)