形見がたみ)” の例文
たとい母のことについて悪い風聞ふうぶんがあったとしても、そんなことを記す訳はないが、こゝでは暫く彼の日記を信用して、母は左大臣のわす形見がたみの敦忠の成長を楽しみに
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
本當に可愛らしいが、まだほんのねんねで、よく働きますが、——何んでも百壽園の先代の忘れ形見がたみだと言ひますが、引取手がないので、今の百壽園に引取られて、奉公人並に働いてをります。