きやう)” の例文
洞海、名はきやうあざな健卿けんけい、万延元年幕府に召され、次年に侍医の班に列せられた。その上洛扈随の一員であつたことは志村良愷りやうがいさんが記憶してゐる。是も亦洋方医である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
河原乞児かはらこじきの尤も幼稚なりし時に、其好趣かうしゆは戦国的の勇壮なるローマンス風のものにて、例せば盗賊を取りて主人公となし、之れに慈憐の志を深うせしめ、きやうしぎ、弱を助くる義気に富ましめ
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)