余は是れ羈旅きりょの卒、牛馬のそう初尋寺次逢僧はじめてらをたづねついでそうにあひ庭前徘徊ていぜんにはいくわいし灯下談話とうかにだんわす、とあるので、羈旅牛馬の二句は在俗の時のことのようにも想われるが、庭前灯下の二句は何様どうも行脚修業中のこととも想われる。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)