年少わか)” の例文
金縁の目金めがねを掛けたる五ツ紋の年少わか紳士、襟を正しゅうして第三区の店頭みせさきに立ちて、肱座ひじつきに眼を着くれば、照子すかさず嬌態しなをして
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸を出でゝ覗へば、彼の激浪倒立すること十丈なる岸頭に、一群の女子小兒の立てるあり。小兒等は十字架を棒げ持てり。群のうちに一人の年少わかき女の、地に坐して海上を凝視せるあり。