居心いごこち)” の例文
この廃邸あれやしきの空気は、お庄にはあまり居心いごこちがよくなかった。部屋で声を立てても、奥から駈けつけて来てもらえそうにも思えなかったし、庭も何だか陰気くさかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
これは官等の高下をも明かにしない予にとって、白頭はくとうと共に勅任官を賜るよりは遥に居心いごこちの好い位置である。この意味に於て、予は予自身の為に心から予の入社を祝したいと思う。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)