尻端しりは)” の例文
紺の背広の上衣うわぎを腕にひっかけて歩く悠吉の白いワイシャツと、やはり紺っぽい無地の着物を尻端しりはしょって歩く野村の白いチヂミのステテコが、夕日にまぶしい。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
まだウエートレスたちが尻端しりはしょりで部屋の掃除をしているカフェー『すみれ軒』の隅っこのテーブルを囲んで、熱いブラジルコーヒーをすすりながら、こんな会話を取り交わしていた。
五階の窓:02 合作の二 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)