小糠虫こぬかむし)” の例文
真向うは空地だし、町中は原のなごりをそのまま、窪地のあちこちには、草生くさはえがむらむらと、尾花は見えぬが、猫じゃらしが、小糠虫こぬかむしを、穂でじゃれて、逃水ならぬ日脚ひあしながれが暖くよどんでいる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)