寂々しんしん)” の例文
日が恐しく早く暮れてしまうだけ、長いはすぐに寂々しんしんけ渡って来て、夏ならば夕涼みの下駄の音にさえぎられてよくは聞えない八時か九時の時の鐘があたりをまるで十二時の如くしずかにしてしまう。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)