家内やない)” の例文
方々、雨漏りがしていて、家内やないのいたるところに、洗面器、たらい、釜の類が置いてあるけれども、六畳の座敷は、ときどき、天井から雫が落ちる程度だ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
とガサガサと庭木が揺れ、現われたのは先刻さっきの少年、「これからが俺の本役ほんやくさ」とまたもや窓へ近よったが、手を延ばすと窓を開け、そこから一つの風船を、家内やないへ飛ばせたものである。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)