安曇アヅミ)” の例文
原意は、既に忘却を重ねた後にまでも、尚、此を繰り返して居たのである。阿知女を鈿女うずめだとする説もあるが、阿知女・阿度女は、海人アマの宰領である、安曇アヅミ氏の事でなければならない。
其は種類も多様で、安曇アヅミ海部アマベに関係のない詞章も多かつたことは明らかである。
記・紀・万葉に、安曇アヅミ氏や、各種の海部アマベの伝承らしい伝説や歌謡の多いばかりか、其が古代歴史の基礎中に組み込まれてゐるのは、此天語部が、宮廷の語部として採用せられたからである。
海人は、安曇アヅミ氏の管轄で、安曇氏は海人部の族長ではない事を主張して居ます。が、山部氏は山人族の主長であるらしいのです。安曇氏の如きも、其ほど海人の血から離れてゐるか、信じられません。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)