娘子おとめ)” の例文
高安王たかやすのおおきみが鮒の土産みやげ娘子おとめに呉れたときの歌である。高安王は天平十四年正四位下で卒した人で、十一年大原真人おおはらのまひとの姓を賜わっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
これは中臣宅守なかとみのやかもり娘子おとめに贈った歌だが、この方は気がかない程地味で、骨折って歌っているが、娘子の歌ほど声調にゆらぎが無い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして家持は娘子おとめなどと贈答している歌よりこういう独居的歌の方が出来のよいのは、心の沈潜によるたまものに他ならぬのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)