大空裏たいくうり)” の例文
脈々三千条の血管を越す、若き血潮の、寄せきたる心臓のとびらは、恋と開き恋と閉じて、動かざる男女なんにょを、躍然と大空裏たいくうりえがき出している。二人の運命はこの危うき刹那せつなさだまる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)