大御田族おおみたから)” の例文
そしてその大御田族おおみたからなる公民には、男には二たんずつ、女には一段百二十歩ずつ、老幼に論なくことごとく公田を割り与えました。
ことごとく農民すなわち大御田族おおみたからとなった筈であるが、事実において品部雑戸なるものが取り遺され、また賤民の階級は依然として認められた。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
大化以前には国造くにのみやつこ県主あがたぬし等の所領の外に、天皇直轄御領の公田すなわち大御田があって、その農民すなわち公民を大御田族おおみたからと呼んだものであったであろう。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
彼らは班田に入らず、農業に従事せぬが故に、農業を本とした我が国では、いわゆる大御田族おおみたからではありえない。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
しかるに大化の改新によって、日本の田地は、原則としてみな天皇の大御田となったのであるから、その田を耕す農民はすなわちことごとく大御田族おおみたからであらねばならぬ。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
所謂河原者にも坂の者にもなったのであろうが、その以前の様子を考えてみたならば、大御田族おおみたからとなって農耕の業に従事し、住所を平地に求めて公民権を獲得した民衆以外の浮浪民は