大宅おおや)” の例文
「チチーン、シャン、チチチ、チチチン。(鼓の口真似)ポン、ポン、大宅おおやの太郎は目をさまし……ぼんやりしないでさ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紀伊の国三輪みわさきに、大宅おおやの竹助という人がすんでいた。この人は、漁業で大いにもうけた網元で、漁師たちも大ぜいかかえ、手広く魚という魚を漁獲して、家ゆたかに暮らしていた。
このことが他人の口から露顕したならば、大宅おおやの家も断絶の憂きめにあうだろう。祖先にたいしても、また子孫のためにも、不孝の子を一人捨てるのは惜しくない。明日こちらから訴え出ろ
大宅おおやの家の方々がどうお思いになるかと思うと、面目がありません。