土砂つち)” の例文
蒸す様な草いきれと、乾いた線路の土砂つちの反射する日光とで、額は何時しか汗ばんだ。静子の顔は、先刻さつき怡々いそいそした光が消えて、妙に真面目に引緊つてゐた。小妹共はモウ五六町も先方さきを歩いてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)