因襲いんしゅう)” の例文
それは上面うわつらの礼式にとどまる事で、精神には何の関係もない云わば因襲いんしゅうといったようなものですから、てんで議論にはならないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
元来進取的の人だから、至って自然に芸人という因襲いんしゅうから自己を解放してしまった。奥さんも美代子さんも満足だった。
心のアンテナ (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
因襲いんしゅうも世間的名声もこの男の前にはなんの権威もない。