因幡國いなばのくに)” の例文
新字:因幡国
そこは因幡國いなばのくにのうちだと思ふだけでも、何となく旅の氣分を改めさせた。湯も熱かつたが、しかし入り心地はわるくなかつた。その晩は夏らしい月もあつて、宿の裏二階の疊の上まで射し入つた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)