嘈々さうさう)” の例文
五合入りの古鉄瓶に嘈々さうさうとして断続調を成す松風の楽を聴く、この古鉄瓶も又興こそあれ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大絃は嘈々さうさう 急雨の如く
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薔薇ばらも咲き、紫陽花しやうかも咲き、嘈々さうさうたる川の音絶えざれば、風さへいと涼けきに、人々も我も居心地こよなく好しと喜び合ひはすれど、しかも我が胸の何処かになほかくれたる一の心ありて、念々として
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)