喰逃くいに)” の例文
万碧楼では喰逃くいにげが帰って来たと云う顔をして、茶代も少し奮発ふんぱつしたに関せず、紫縮緬の夜具は雲がくれて、あまり新しくもない木綿の夜具に寝かされた。主の方では無論覚えて居る由もない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)