呪禁まじなひ)” の例文
「何? そいつは話が違つて來るぜ。とつさんの財布へ五つになる伜の迷子札を入れたのは、何か呪禁まじなひにでもなるのかい」
例の呪禁まじなひのかかつたところを通りかかると、つい歯の間から⦅忌々しい場所ところだ!⦆と呟やかずにはゐられなかつた。
「丹花の呪禁まじなひ」だといつて、活け剰りの花を口に銜へ、腰に手を当てゝ、映画に出て来るジヨルヂユ・サンドのやうな気取つた恰好で濶歩するのが一時流行つて、やがて廃れたが——。
花は勁し (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「もう直きのおつもりですかい?」と、村長は蒸溜人こしての方へ向き直つて、欠伸の出かかる口へ急いで呪禁まじなひの十字を切りながら言つた。「その酒蒸溜場さかこしばを開きなさるのは?」
それがどうして癒したとお思ひになります? ほんの呪禁まじなひひと言ですよ。