天正の四年に父の輝宗が板屋峠をえて大森に向い、相馬弾正大弼だんじょうたいひつと畠山右京亮義継うきょうのすけしつぐ、大内備前定綱との同盟軍を敵に取って兵を出した時、年はわずかに十歳だったが
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)