双肌脱もろはだぬぎ)” の例文
双肌脱もろはだぬぎの伝六郎が、音に聞こえた強力で、お花の腕をぎ離そうとする度に、帯際を掴まれている澄夫は式台の上でヨロヨロとよろめいた。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日頃氣取つてばかり居る中年増のお袖も、譯のわからぬ事を歌ひ續け乍ら、あられもない双肌脱もろはだぬぎになつて、尻尾に火の付いたけもののやうに、船の中を飛び廻ります。