占筮せんぜい)” の例文
禁厭まじない祭祝さいしゅく祓除はらいよけ、陰陽道、物忌ものいみ鬼霊きりょう占筮せんぜいなど、多様な迷妄の慰安をもたなくては、生きていられない上流層の人々だった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また巫呪ふしゅう占筮せんぜいの魔術からもいろいろな自然科学の先祖のようなものが生まれたというのは周知のことである。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
なんの前兆か、吉か凶かを、暦学、占筮せんぜいの諸博士から、意見を徴して、例のごとく、加持祈祷かじきとうに、奔命するのであった。
古い話ではあるがティコ・ブラーヘの天体観測の結果は、幾度か非科学的な占筮せんぜいの用にも供せられたのであろうが、結局は名工ケプレルの手によって整然たる太陽系の模型の製作に使われた。
空想日録 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)