千頭ちかみ)” の例文
其処には元の次郎兵衛の邸宅を思わすような、千頭ちかみという素封家の邸がある。小さな丘の蓮池城、其処には今でも城の兵糧であった焼米が出るとのことであった。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
僕はペナンを出帆してから郵船会社の厚意で一等室へ移して貰つたが、幸ひ相客あいきやくが無いので広い涼しい部屋を一人ひとりで占領する事となつた。一等船客せんかくには千頭ちかみ、宮坂などと云ふ海軍大尉が乗つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)